2026年9月に北海道で撮影された空の写真です。友人が送ってくれました。
暖気と寒気、あるいは湿度の高低など、性質の異なる空気の塊がぶつかる前線付近で見られる「断層雲」という現象だそうです。
箏曲の古典に吉沢検校作曲「夏の曲」があります。
曲中には古今和歌集より初夏から晩夏までの四首が歌いこまれています。
四首目の
凡河内躬恒(おおしこうち の みつね)による
「夏と秋と行きかふ空の通ひ路は
かたへ涼しき風や吹くらむ」
は、写真のような空を歌ったのではないかと思われます。
平安の昔に詠まれたこの歌の空気感に、幕末の作曲家が共感して「夏の曲」へと紡ぎ、約150年後の今、私たちが弾き歌いながら同じ空を見上げている――そんな時を超えたつながりを思い起こさせてくれる写真です。

